2016.06.08
アニメ テレビ東京が緊急時にアニメを流す理由「アニメのテレ東」が最も稼いだ作品は『NARUTO』!!
民法放送局「テレビ東京」といえば、アニメの放送が多い放送局としても有名です。重大事件や事故が起こっても特番や中継を挟んだりせずアニメを放映し続けるというテレビ東京特有の事象のことがテレビの視聴者の間で「テレ東伝説」としてささやかれるようになっているのをご存じでしょうか。一部では、大きな事件があった時にどれだけの非常事態なのか確認するために下記のようなテンプレートを目安にすることもあるそうです。
(引用始め)
非常事態対策の一環として、 ご家庭内の目につく場所に貼ってご活用ください。
*レベル6が、最高ランクです。
レベル1:NHKが特番を開始。(注意報発令)
レベル2:日テレ、TBS、フジ、テレ朝が特番を開始。(警報発令)
レベル3:テレ東がテロップを入れる(避難勧告発令)
レベル4:テレ東が通常放送を打ち切る (避難命令発令)
レベル5:総理大臣、国民に向けて会見(非常事態宣言)
レベル6:テレ東、アニメを放送途中に打ち切り緊急特番を開始する(地球滅亡。少なくとも日本の終わり)
(引用終わり)
私も2011年の震災時、緊急速報で埋め尽くされたテレビの映像を見ていました。当時は、どのチャンネルを見ても震災報道で、重要な情報だということは重々承知の上でも、毎度震災の爪痕を見る度に緊張が走り、日本全体が気の抜けない状況でした。『まどか☆マギカ』が震災を想起させるシーンがあるということで最終回目前にして放送停止になったりとアニメ界隈でも多大な影響がありましたが、なんと震災発生から33時間すぎた3月12日の23時55分、テレビ東京では震災報道が終了し『テガミバチ REVERSE』が放送再開されて「地球滅亡の危機を脱した」と話題になったそうです。
緊急時に日本全体でその動向を見守るのも大事なことですが、私は個人的には、テレ東のように通常通りの放送を貫く局がある方が精神衛生上救われる部分もあるのではないかと考えてしまいます。緊迫した雰囲気で怖さや辛さを何度も見せられるというだけではなく、日常のほっとできる部分を残してくれていた方が、安心できる人もいるのではないかと思うのです。
なぜテレ東だけ緊急時でもアニメを流すのかには、諸説有りますが、1つは他のキー局(フジ・日テレ・テレ朝・TBS)と比較してテレビ東京系列の地方局数は圧倒的に少なく、他のキー局が20局以上のネット局があるのに対して、「テレビ北海道・テレビ東京・テレビ愛知・テレビ大阪・テレビせとうち・TVQ九州放送」のたった5局しかないということが挙げられます。そのため他局に比べて機動力が低く、緊急時の取材に対応する力がありません。現地に複数局の精鋭が取材に張り込んでいる状況で一斉にリアルタイムな状況を放送している取材競争に飛び込んでいくには、テレビ東京放送網の少なさでは心許なく、あえてそれを争うよりは独自路線で既存コンテンツを流す方が経営的にも得策なのでしょう。
テレビ局の張り込み取材には膨大な予算がかかります。報道はテレビ局の花形ですし、いかに新しいニュースを伝えるかが現場では重要視されていますが、その実、視聴者側はというと一度に複数のチャンネルを見られるわけでもないですし、新着の報道が局によって1秒遅いか早いかというのはさして問題となりません。同じ情報を複数局で同時展開しているのよりも、あえて通常のテレビ局らしからぬ価値基準で違った毛色のチャンネルが1つある方が、回り回って視聴者目線になって受け入れられて居る好例と言えるでしょう。
そんな、アニメが代名詞のテレ東は収益もアニメが押し上げています。IR情報を見ると、地上波アニメ放送から派生してアニメミュージック事業や、CSのアニメ専門チャンネル「AT-X」の広告・ライツ事業が順調です。その中でも、一番営業成績を上げたアニメは、『NARUTO』でした。2015年8月公開の劇場版『BORUTO-NARUTO THE MOVIE-』が好成績を収め、シリーズ最高興収25.9億円を記録しました。舞台『ライブ・スペクタクル NARUTO-ナルト-』や展覧会『連載完結記念 岸本斉史 NARUTO-ナルト-展』も大盛況で、まさに、うずまきナルトが 2015年を疾走したといっても過言ではありません。
そんなNARUTOは今やドラゴンボールやONEPIECEに次いでジャンプを牽引する作品になっているばかりではなく、特に海外向けにも大人気を博しています。2016年2月に発売されたNARUTOの忍術アクションバトルゲーム『ナルティメットストーム4』は初回出荷本数世界累計130万本を記録するなど、その勢いはとどまることを知りません。
(参考:http://bandainamcoent.co.jp/corporate/press/release/61/pdf/20160208.pdf)
海外のNARUTO人気はゲーム「ナルティメット」シリーズで大爆発し、いまや欧米では『ONEPIECE』よりも圧倒的な人気を得ていると言います。
この人気を受けて、テレビシリーズのOPにも変化が出てきています。
こちらは、NARUTO本編の作画監督を務める拙者五郎さんが演出を務めたNARUTO疾風伝16本目のOPです。全体的に、本編で使用したカットをうまく繋ぎ合わせて現在放映中の内容の世界観を表そうとしている、日本のリアルタイムで見ているファン層に向けたメッセージが感じ取れます。
一方、こちらはNARUTO疾風伝17本目のOPです。これは本編には関与していないプロモーションムービー制作に特化したPVアニメーション専門会社に依頼したOPなのですが、この2つを比較すると、同じTVシリーズのオープニングでも、全く性質が違うことが分かると思います。特に後者は本編の映像を一切使っていないためこれ自体を主題歌のミュージッククリップとして見るのも良いですし、浮世絵がアニメーションしているような演出は非常に興味深く、スタッフクレジットでさえ絵の一部のように芸術的です。
これがテレビ東京や制作元請けのぴえろが意図して作成したものかはわかりませんが、NARUTOの人気の要素の大きな部分を占めるのは、「現代の忍者」であることです。日本固有の「忍者」「浮世絵」「漢字の縦書き文字」を使ったこのOPは、海外のNARUTOファン層にがっちり刺さる作りになっています。
このようにしっかりと自らの強みと弱みを意識し、緊急時取材には予算は使わず、強みであるNARUTOのアニメに戦力を集中して海外に通じる「アニメ」に特化してきたテレビ東京はこれからもアニメ分野で更なる発展を遂げていくでしょう。これからの更なるテレ東伝説に期待です。
NARUTO疾風伝17本目のOPを作成した プロモーションアニメ・ムービー制作会社についてはこちらからご覧ください。
◆株式会社ポイント・ピクチャーズ
・HP:http://www.point-p.jp/top.html
・実績案内:http://www.point-p.jp/record/index.html
・サンプル映像:http://www.point-p.jp/works/index.html
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