2016.07.27
ゲームアプリ 『IDOLiSH7(アイドリッシュセブン)』の次は『B-PROJECT~鼓動*アンビシャス~』か?アイドルPV合戦!ゲーム連動型リアルタイムのYoutube動画戦略
こんにちは!大山です。ゲーム業界にいるにもかかわらず、スマホアプリはジョジョの『スターダストシューターズ』ぐらいしかまともにやっていなかった大山に最近大きな変化ができました。巷では、アイドルものアプリが流行しているということで特に3D業界で『デレ●テ』みたいな女の子キャラがダンスする3Dモーションを作れる会社を紹介して欲しいとSAP企業から言われることが多くなったことをきっかけに、アイドルものアプリを一通りやってみようと、手始めに『アイドルマスター シンデレラガールズ スターライトステージ』、『ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル』、『IDOLiSH7(アイドリッシュセブン)』、『あんさんぶるスターズ!』をダウンロードし、実際にプレイしながら人気と技術革新の秘密を探ってみようと、一挙に男女関係なく複数アイドルのプロデューサーさんもしくはマネージャーとして活躍しはじめてみたのです。
前述の『アイドルマスター シンデレラガールズ スターライトステージ』は、3Dアイドルものとして一つのジャンルを作り上げたと言っても過言ではなく、リズムゲームのプレイ時に3Dムービーでのダンス演出が入るところが一番の強みであり最大の差別化ポイントです。セルルックで萌え系3Dを再現したそのビジュアルの斬新さもリリース時に話題になり、噂では、同じようにアイドルものでリリースしようとしていたアプリを引っ込めてデレステに合わせてレベルアップして出し直そうとしていた作品もあるそうです。
一方、完全に2Dの持つ可愛らしさで勝負しようとしているのが『ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル』です。アニメ放映時は3Dでのダンスシーンも使用しているにもかかわらず、このアプリでは一切3Dは使っていません。アイマスが3Dなのでその同じ舞台で戦うことはせず、あくまで一貫して2DのURカードで新作衣装を纏ったキャラを押し出していくことに特化しています。女子のファンが多いのも、そうしたキャラ愛とキャラにあった新作衣装のかわいさが支えていることも要因としてあり、細かいディティールの繊細な衣装のため3D化しにくいということも2D特化の理由になっているのだと考えられます。
同じく『あんさんぶるスターズ!』も2D主体のアプリでキャラ萌え要素を押し出してきていますが、女性向けアイドルアプリの特徴としてはストーリーを重視しているというところです。ノベルの進行がアプリの主軸になっており、プロデューサー視点で押しユニットを育成していきます。
この中でも一番異色なのは『IDOLiSH7(アイドリッシュセブン)』です。女性向けに、ストーリー重視の進行なのはもちろんですが、リズムゲームで高スコアの場合に2Dアニメや3Dアニメで作られたMVがカットインしてくるなど演出にも気合いが入り、メインストーリーでは一切主人公である女マネージャーへの恋愛要素を挟まずアイドルの直面するシビアな問題に焦点を当て、プレイしている全員でアイドルの成長を見守る構図を作るなど、ファン同士が喧嘩しない配慮が随所に見られるのが驚きポイントでした。
特に衝撃で、プレイヤーの中でも話題になったのはゲーム中メインストーリーの中で、男性マネージャーである大神万里が「再来週にはMV公開も始まるからね!」という台詞を発した2週間後に、ほんとうに新作MVがYoutubeで公開されたことです。配信に合わせて最新バージョンをプレイしているユーザーに向けて、実際に配信していく情報を調整してゲーム内とリアルの境目を無くしてリアルタイムに広報宣伝活動を行うマネージャー、大神万里の手腕がここで発揮されています。
アイドルの成長に合わせてMVも進化してきています。最初のMVは、下記の『MONSTER GENERATiON』で、これ以降モーションキャプチャーを用いた3DのMVや、フルアニメなど、さまざまな趣向を凝らしてのMV展開を行ってきています。
ストーリーの進行に合わせてCDのリリースなども行い、作中のユニットであるRe:valeが発売した『SILVER SKY』がオリコンデイリーチャート9位にランクインし、 『IDOLiSH7(アイドリッシュセブン)』プロジェクトでは4作連続のTOP10入りとなりました。
マネージャー大神万里のYoutubeアカウントもあり、かなりリアルタイムの動画広報戦略に力を入れていることがわかります。同アカウントではMVの発表以外にも出演声優のインタビュー動画なども随時更新され、Twitterとの連携も相まって効果を発揮しています。アイドルものリズムゲームという特性から、MVは本編にも使える素材でもあり、最大にして最高の宣伝材料でもあります。それらを最大限に発揮できるのが、無料で大容量の動画でもアップロードしてすぐに拡散できるYoutubeということなのです。
ゲーム本編ではショートバージョンしか公開されていないMVをYoutubeでフルバージョンとして配信することによって、わざわざそれを見に行くコアなファン層を育てていくことができます。また、コメント欄でもそうしたMVを見て「もっと動く彼らを見たい」というアニメ化を望むファンの声が増えてきています。
アニメ化されればグッズ化やイベントなどの広がりも見込め、さらに大きな市場に展開していくことも期待できるでしょう。こうしてファンの声で次の展開に広げていくということはコンテンツ戦略として一番理想的です。徐々にMVのクオリティを上げてきているのも、そうしたファンの声によってどんどんアニメ化に向けてクオリティを高め、後押しされていいものになっていっているという状況を体現しているのかもしれない・・・と考えると、マネージャー大神万里、恐るべしですね。(笑)
そして、次の大型アイドルものコンテンツで注目されているのは、『B-PROJECT~鼓動*アンビシャス~』です。
アイドリッシュ7にも共通することですが、アイドルものの作品には楽曲とキャラのビジュアルとイメージを伝えることが最も重要です。その意味でこちらの作品は多方面のメディアミックス展開の筆頭にまずはキャラや作品の持つ世界観を体現し、同時に楽曲のかっこよさをも伝えるPVを前面に押し出してきました。
すでに7月2日よりTVアニメ放送が決定しているほか、グッズ化やラノベ展開などのメディアミックスも進行しており、テーマソングの作詞を西川貴教、作曲を志倉千代丸が担当するなど初動からビックプロジェクトとして動いています。その期待感を演出するのが上記のPVでした。『魔界王子』などで人気の漫画家、雪広うたこ先生をキャラクターデザイナーとして迎えた美麗なキャラクターたちの原作絵を中心にモーションピクチャーとして動かしていき、後半の方になるとアニメーションのカットもところどころ入れてきて、TVアニメ放送を匂わせ期待感を高めるPVは、ファンの心を動かすのには十分なエッセンスが多量に含まれています。
アイドルもののような複数キャラクターが登場する作品はグッズ化するときも各キャラのファンを見込んで展開ができる分、強いコンテンツになります。それらのファンを育てる手法として最大限に魅力を詰め込めるのが動画であり、拡散力・動きの早さともにYoutubeを利用しない手はありません。ユーザーとしてプレイしてみてもその威力は存分に感じ取ることができました。今後、コンテンツ戦略としてMVやPVの制作はさらに加速していくものと思われます。
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