2016.01.22

仕事を求めて参加する交流会には、意味がありません。仕事を逃す参加の仕方と、それでも仕事につながる経営者交流会

IMG_2280交流会で決まる案件は単なる受発注だけではない

アニメゲーム漫画業界交流会では、業界ごとに色分けした名札をお配りしています。なぜかと言うと、「自分と同じ業界の人が誰なのかを知りたい。」というご要望が多かったからです。もっと言うと、「仕事を持っているのが誰か知りたい。」「メーカーの人だけ一箇所に集めて欲しい。」など色々とご要望を頂いたのですが、切りが無いので却下しました。(笑)

と、いうのも参加者のみなさんは自分の業界内での新しい取引を目指して交流会に参加されるというパターンが一番多いと思うのですが、交流会で決まるお仕事というのは同じ業界内のクライアントからだけではありません。色分けされた名刺に想像力を巡らし、それをどう利用していくのか。生かすも殺すも自分次第です。最初から同じ業界内で仕事を持っている人に会うことだけを目的に参加すると、視界が狭くなり、逆に受注から遠のいてしまうことがあるのです。

pixta_9320484_M想像してください、「仕事くれ」と必死で般若のような形相の参加者と仕事がしたいか

仕事につながらない交流会なんて参加するだけ無駄じゃないか!と怒られてしまいそうなのでお伝えしますが、もし「自分の客になりそうな会社とだけ名刺交換したい。」と考えてギラギラしている参加者がいたら、どうでしょうか?交流会に参加している会社の過半数は制作・開発会社です。

業界はゲーム・アニメ・漫画・遊技機・音楽等その他、細分化するともっと分けられると思いますがざっくり分けてもこれだけある中で、「自分の客になりそう」とか「メーカー」と区切ってしまうと全体の参加者の1割がその対象に入るか入らないかぐらいだと思います。では、その他9割はどう思うかというと、「私達はお呼びでないのね。」とサーーっと引いてしまいます。

業界概要今よりも、5年前の方がその傾向が強かった※画像1

そうした「自分のクライアントになる人だけと会いたい。」という会社さんは、実は今よりも5年前の方が多くいらっしゃっていました。なぜかと言うと、その当時はSNSスマホアプリはなく、基本的に固定のメーカーか一次受け企業から仕事が下りてくるスタイルが一般的だったからです。その時は、業界全体がそういう構造で、逆に言うと下請けの会社が更に孫請けに仕事を出すときと言うのは炎上している時や緊急時でいわゆる「請けたくない案件」だというのは承知していたため、メーカーにしか名刺を渡したくないという会社さんがいても気にならなかったしむしろそれが当たり前でした。

mangaそんな中でも仕事が思わぬところで決まる事例はあった

そうは言えど、業界外で仕事が決まるという例は水面下でありました。PCの乙女ゲームメーカーで自社のIPを漫画化したいというお話が出て、交流会に来ていた出版社を紹介し見事漫画化が決まり、現在も続く大ヒット連載になったことや、PCゲームメーカーが自社のゲームのオープニングアニメを作ってくれる会社を探したいということで、交流会で出会ったアニメ会社に発注をし、あまりにそのオープニングアニメの出来が良かったためにそのゲームを原作にしたオリジナルアニメ制作まで決めて同じ会社にお願いしたこともありました。オープニング映像単発だと200万円ほどの仕事でしたが、オリジナルアニメの制作にも関わることで数十〜数百倍の売上になりましたし、その交流会での出会いがきっかけでゲーム・アニメ同梱特装版が出たことでユーザーも喜びプレミアがついて市場に価値を提供しました。これらは同じ業界にだけ目を向けていては成立しなかった仕事です。それぞれ最終的に両社が作り上げた売上は数十億単位になっています。

IMG_2311更に多様化し、発注元候補企業が育つ現在

受注の構造がほぼ一極化していた5年前でも、業界外にも目を向けることが大事な例をご紹介しました。現在は、更に発注元となる企業は多様化し、昨日まで開発会社として横並びだと思っていた企業が今日はSAPとして外注先を探すということもあり得る時代です。5年前と同じ価値観で「業界内のメーカー」を探しに来ても、接触できる社数が減るばかりか、近い将来御社の発注元になるかもしれない会社から良くない印象を持たれてしまうこともあり得ます。

kouryukai-e1452049784480だからこそ大事なのは業界発展の思いの共有

アニメ化に成功したPCゲームメーカー社長も、漫画化に成功した乙女ゲームメーカーの社長も、自社の仕事を取りに来たわけではありません。PCゲームメーカーは自社パブリッシングだけではなくスクリプトや彩色作業などの受託業務も併行して行っていることが常ですが、これらの企業が目指していたのは「ユーザーさんの喜ぶことをしたい。コンテンツの可能性を引き延ばしたい。」ということでした。

この記事を読んで数十億円規模の仕事が欲しい!と思って交流会に参加しても、やはり無駄に終わってしまうでしょう。どんな時代でも大きなお金が動く仕事というのはユーザーを喜ばせる仕事であり、そこにお金を使ってもコンテンツの可能性を開拓していきたいという企業の挑戦あってこそ人の心を動かし、ビジネスになり得るのです。「自社の仕事が欲しい。」という思いだけでは新たな挑戦というリスクに一緒に立ち向かうパートナーとして選ばれなくて当然です。「アニメゲーム漫画業界の発展」のための交流会ということを再三お伝えしていますが、最終的にはそのコンセプトに立ち返って、どのように発展を臨んでいる企業に寄り添っていけるか?を考えることが一番御社の発展にもつながっていくことだと思います。次回交流会ではぜひ、すぐ隣にいる企業から、手持ちの名刺がなくなるまで可能な限り全ての企業の話に耳を傾けてみてください。そこに御社が発展していくためのアイディアや新しい出会いが潜んでいます。

次回の開催情報と業界発展寄せる弊社社長の想いは下記より!
アニメゲームマンガ経営者交流会 2016年1月25日in表参道

アニメゲームマンガ経営者交流会 2016年1月25日in表参道

【開催概要】
2016年1月25日にて

〒150-0001 渋谷区神宮前4-5-6シャルマンシーナ東京
TEL:03-5772-6615 表参道駅より徒歩5分
18:30〜 受付開始
19:00〜 開会
21:00〜 終了!

参加資格1 アニメゲームマンガ業界に属した会社の取締役以上の人
参加資格2 ビ・ハイア株式会社のスタッフと面識がある人
参加費用 無料

にて開催します。

※画像1:(出所)みずほ銀行産業調査部作成
(注)OTT(Over The Top):インターネット上で提供される Web サイト、動画や音声等のコンテンツサービス
またはそれらを提供する事業者

ご参加希望は下記まで

PROFILE

大山 莉加 執行役員

大山莉加

ラクジョブ運営会社ビ・ハイア株式会社のBLofBLにして、千葉出身の東京都港区民。肉食系女子に見せかけたBL。BL好きのコスプレイヤーと思いきや日本で最もアニメゲームマンガ業界の案件情報、ビジネスマッチングに優れてるのでは・・・と思わせる情報量。彼女のおかげで倒産の危機を乗り切ったり、突然ラインが空いた!!という悲劇を乗り切ったアニメゲームマンガ業界の社長も多い。