2016.03.30
ゲーム 4K対応のPS4が発表か 10月に新製品発表会
28日、The Wall Street Journalの記事によりSonyが近く、4K対応のPS4のアップグレード機の発表を予定していることが明らかになりました。Sonyは今年10月にPlayStation VRの新製品発表会を行う予定で、そこで4K対応のPS4についても発表されるのではないかという見通しです。内容の変更点は既存のPS4を4K対応にした他、既に発表済みのVRゴーグル「PlayStation VR」をサポートするために幾つかの機能の追加もされるようで、これらの追加機能をサポートするために、CPUやGPUも新しいものに換装されることになりそうです。 そのため、新PS4発売以降にリリースされるソフトの一部は、旧PS4と互換性を失う可能性もあり、既存タイトルのメーカーや、今後PS4向けソフトを開発する予定の開発会社にとっても影響のある変更となります。
今までも、PS3でのアップデートやモデルチェンジなど過去数回にわたり行われてきましたが、今回のPS4のモデルチェンジの場合、4Kのサポートという非常に大きな機能の更新ということもあり、実質的にはPS5に相当する市場インパクトになる可能性もあります。2015年の年末商戦を終えた2016年1月時点でのPS4出荷台数は全世界3,590万台となっていますが、PS3は7,700万台。前機種の半分を短期間で達成したタイミングでの大きな仕様の変更が今後どのように売上に左右するかは注目していく必要があります。現行PS4でもローンチタイトルは映像美を前面に打ち出したリアル系テイストのものが多く、VRにもいち早く注目したSonyらしく映像のクオリティにこだわった戦略を採っていることが伺えます。
TVゲーム機業界は、高性能な3Dグラフィックス性能を売り文句に現在、PS4がリードし、それをXbox Oneが追うという状態が続いています。任天堂も近く、グラフィックス性能を大幅に向上させたNXの発表を予定していますが、今年の年末商戦に合わせて、Sonyが4K対応の新PS4と、VRゴーグルのPlayStation VRを市場投入した場合、改めて市場でのSonyの優位はより一層強固なものとなっていきそうです。3D映像クオリティの進化に伴い、常にゲーム業界ではポリゴン数とデータ容量との戦いを行ってきました。ゲームでプレイアブルに楽しめる映像クオリティのギリギリをいつも更新し、最新コンシューマー機を映像に合わせてアップデートしてきたのはコンシューマーメーカーの中でも対応の早さ・クオリティの高さともにSonyが群を抜いています。ゲーム外のSonyの事業分やでも4Kの研究に余念が無く、4K対応のビデオカメラ、放送抽出システム、コーダー、コンバートシステム、そして出力機としてのテレビの開発など、制作から配信まで一貫してサポートしてきた実績とノウハウをゲームにも投下してきているという点で総合力がものをいう結果になってきました。
これから進化して行く映像の表現を最大限生かすための媒体としてゲームが更に注目されていくことでしょう。ムービーを再生するだけでは無く、4KやVRの世界を最大限活かせし、その先の可能性まで示唆できるのはプレイアブルに動かすことのできるゲーム機です。今後は視覚情報だけでなく5感全てを使っての新しい映像表現を目指しているようにも感じられます。その一端をリードするためにゲームという媒介が使われていくとして、ゲーム開発会社は未来の最先端をクリエイトしていく責を担っていくこととなります。ゲームとは、一部のオタクが楽しむものという概念ではなくなってきています。最新のテクノロジーの集約がゲームであるとも取れるこの状況に、コンシューマー業界の再加熱も期待できそうです。